2度目の恋は、やさしい蜜の味
美月は少し緊張した面持ちで荷物を持ってアパートの前に立っていた。

程なくして、見覚えのある車が美月の前に停まった。

避けていたことを追及されたら何て答えよう。

運転席のドアが開く音がした瞬間、美月の心臓はすごい勢いで早鐘を打ち始めた。


「お、おはようございます」

「おはよう、美月ちゃん。着いたら電話しようかと思ってたけど、出てきてくれてたんだね。荷物はこれだけかな?」


悠斗の変わらない態度と心地いい声に、美月は少し安堵していた。


「うーん、体も小さいと荷物も少ない」

「ちょっと、悠斗さん!!」


いつもどおり過ぎるくらいの悠斗に、美月の緊張も解れ、避けていた期間なんてなかったかのように振舞えた。


本当にやさしい人……


美月はホッとしたのと申し訳なさで少し目を潤ませていた。


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