ガリ勉くんに愛の手を
ピンク色にキラキラ光るライトに照らされ、ベッドの上で絡み合う男と女。

ゆっくりと時間は流れ、やがて二人の体は別々に離れていった。

男はベッドの上で、たばこを1本取り出し、吸い始めた。

ふわふわと白い煙が女の顔を優しく包み込む。

女はそんな男の横顔を愛おしそうに見つめている。

「ねえ、先生。
私たちの事、奥様にバレてない?」

甘えた声。

「ああ。」

「私、あの病院辞めた方がいいかしら?」

「…そうだな。」

「そしたら、奥様と別れて私と結婚してくれる?」

「……」

返事はない。

女は少し怒ったようにふくれた顔を見せた。

「ダメなの?」

「いや、美紀、愛してるよ。ずっと一緒だ。」

女はその言葉を待っていた。
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