ガリ勉くんに愛の手を
佐奈はおじさんから聞いた真実を素直に受け取れず、ただ呆然と立ちつくしていた。

「ベンは親父さんが不倫してるのをたまたま見てしまったんや。
ほんで、必死で追いかけて…」

それで説明がついた。

(う、うち… 何も知らんとベンにひどい事…)

あの時から佐奈の心の中にずっと引っかかっていた事。

今、やっと謎が解けていった。

「おっちゃん、うち…
どないしたらいいのん?」

「佐奈、まだ十分間に合う。
次はお前からベンを迎えに行く番や。

「うちが?」

おじさんは大きくうなずいた。
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