ガリ勉くんに愛の手を
塾の帰り。

「大苅 勉くん。」

階段の上から誰かに声をかけられ立ち止った。

「え?」

振り向くとあの真理亜が立っていた。

「あ、どうも。」

女の子から声をかけられるなんて…

あの痴漢の時以来だ。

近くで見ると本当にきれいな子だ。

満男が好きになるのもわかる気がする。


「私は小林 真理亜。

実は私も2年前に東京から引っ越してきたの。

ここへ来て色々大変だったし不安もあったわ。

だから何か分らない事や、困った事があったらいつでも相談してね。」

女の子に優しくされたのは初めての事。

「は、はい、ありがとうございます。」

(真理亜さん、顔だけじゃなく、性格もすごくいいみたい…)

ドッキン… ドッキン…


(なんだろう?この胸の鼓動は…)
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