Luck TesT
駅を降りると、ものすごい数の人が携帯で電話をしていた。
そして夜だというのに、空が真っ赤に染まっていた。

人もマスコミもものすごい数が集まっていて、身動きをとるのが難しいほどだった。

「すみませ…」

行きかう人にぶつかり、思わず転びそうになる。
結斗が慌てて体を支えてくれた。

鼓動がどんどん速くなる。
思考が悪い方、悪い方へとどんどん引っ張られていく。

と、結斗がぐいっと頭を自分の方へと引き寄せる。

「大丈夫、大丈夫だよ」

そのの言葉に、私はすがった。

「そうだよね。ライブハウスなんていっぱいあるよね」

そう言って、一緒に朱美たちがいるはずのライブハウスへと向かって歩き出した。



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