伝えたい
ピッピー
「試合しゅーりょー!」
「ハァ…ハァ……お疲れ様です…。」
「ハァ…なかなかやるな…お前。」
「負けましたけどね…」
結果はぎりぎり俺の勝ち
「あーくそっ…久しぶりに本気だして疲れた…」
「俺もです…。…やっぱ凄いですね。裕也先輩は。」
「んなことより、ちゃんと約束守るんだろーな?」
「勿論。約束は守るんで、しばらくは告白は延期します。」
「……しばらくっていつだよ?」
「そうですね…夏祭りくらいまでかな?」
「そんなもんかよ……。」
この学校は
8月の頭に夏祭りがある
ちなみに今は6月中旬。
二ヶ月もねぇじゃん。
「また祭が近づいたら勝負すればいいじゃないですか♪」
まじかよ…
二ヶ月置きに
コイツと勝負するわけ?
「俺はお前と違って忙しいの。ほら、さっさと練習してこい。」
「ちぇっ…つまんないなぁ。」
軽く文句をいいながら
遠山は取り巻きの中に入っていった。
「………あいつ絶対に女好きだよなー。」
なおさら琴には近づけさせねぇ。
そんなことを思いながら
「あれ?裕也くんどこ行くの?」
「ちょっと怪我したから保健室。先輩に言っといて?」
「そっかぁ。分かった!お大事に〜」
本当は怪我なんかしてねぇのに
保健室に向かう。
ただ疲れたから休みたいだけだ。
それに
「琴に何て言うか考えねぇとな…」
琴のことだから
普通に
"なんで勝負してたの?"
とか聞いてきそうだ。
言い訳を考えてないといけねぇ。
これが一番の理由。
本当に俺は
琴中心に行動してんだな…