誓~天才演技者達の恋~

賢斗は気まずそうに笑う。

そんな賢斗を見て雪奈は、クスリと笑った。


「言うつもりは無いわ。心配しないで?」

「......」

「私はね、小さい時から明日香ちゃんと卓也くんと百合亜ちゃんを見てきた。

明日香ちゃんは、卓也くんに片思いしていたのよ。
卓也くんと百合亜ちゃんが、両想いと知っていながらね...」


賢斗は、雪奈を見つめる。

何故だか霧島明日香の心は、賢斗に伝わっていた。

いや、分かっていた。

百合亜と親友と言い切る明日香。

でも、第一は...

好きな人...元々好きだった卓也を応援したいんだ。

と、賢斗はそう思った。


「きちんとYuriaちゃんが百合亜ちゃんに戻ったら...彼女に選ばせてあげてね?」

「....」

「私は、記憶が戻った彼女がなんて言おうと、攻めたりしない。

世間が二股やらなんやら...って言っても、私は何も言わない。
最悪、選ぶ必要なんて無いと思うわ」

「えっ!?」


雪奈は小さく微笑むと、ドアを見つめた。

するとゆっくりと喫茶店のドアが開く。


「ッ.....!!」

「いらっしゃい。卓也くん」

「城崎...賢斗...」


卓也はそう呟くと、気まずそうに席に着く。

その後ろに、怒り顔を隠せていない明日香がいた。


「あら?戻ってきたの?明日香ちゃん」

「...分かってたクセに..」


明日香はそう言うと、卓也の真向かいに座る。

そして、卓也と賢斗にこう呟いた。


「Yuria....緊急で運ばれたみたいよ。

...土居朱美が確信に近づいてるみたい。それで頭を抱えて倒れたって。
土居朱美本人が言っていたわ」
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