誓~天才演技者達の恋~


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菊花プロダクション社長菊花香織
(Kikubana Kaori)
は頭を抱える。


若くして芸能プロダクションを造った女社長は、信頼しているタレントに口を開いた。



「何かいい、人材はいないかしら?」


「なんで俺に聞くんですか」



即答で答えるクソ生意気な小六。

城崎賢斗
(Shirosaki Kento)
は、ソファーに座って白野百合亜を見ていた。



「明日になったんだっけ?果歩も大変ね」



人事のように話すのは、香織の悪い所とも言える。


賢斗は社長を横目に、新聞を開いた。



「菊花プロダクションと花坂プロダクション、合併しちゃえばいいんですよ。

運良く社長同士は同じ明華の同級生ってことですし」



新聞の記事を見ながらボソリと呟く賢斗。


香織はそんな“自分の子”とも言えるタレントに拳骨。


賢斗は頭を抱えながら、新聞を元に戻した。



「確かに、果歩とはお友達よ。大親友よ。

………でもね、お互い社会人。そう上手く行かないのよ」


「このままじゃ、親友同士で倒れますよ。体も会社も」


「もう!生意気な子ねッ!確かに果歩の所は危ないかも知れないわ...

だって生計は、白野百合亜で成り立っていたもの...

っていうか、白野百合亜くらいしか居なかったし...」



そうブツブツ言う香織に賢斗は一言


「あんたの会社のほうが危機だよ」と小さく呟いた。


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