誓~天才演技者達の恋~
「それが一番、残酷な気がしますが?」
「そうかも知れないね。
でも“ゆりあ”は、記憶を失っても演技をしている。
自ら選んでいる。
演技をしていく人生を...」
朱美は面白くないと言うように、彼女の演技を見つめる。
師羅は朱美の背中に向って、一言言った。
「天才を乱すのは構わない。今よりもいい縁演技が生まれる可能性がある。
でも、天才達を潰すなよ?
ぐちゃぐちゃに潰すと、元には戻せない」
朱美は、後ろから聞こえる師羅の言葉に頷いた。
編集長である鎌足は、いきなりYuriaに興味を持たなくなった。
だから、朱美は自分のスクープを他社に売ろうと思っている。
「私も潰したくありません。
結構スキなんですよ...彼女達の演技や彼らの演技」
白野百合亜はYuriaとして生きている。
その確信があるのに、雑誌にそのスクープを載せられない。
それは記者として辛いこと。
「私はすべてを掴んでから、編集長の前に出します。」
「キミが演技をしたら面白そうだ。
妥協をしない天才が生まれそうだね...」
師羅は笑いながらそう言うと、席を立った。
そして、朱美の横に座る。
「Yuriaは誰にも潰せないと思うよ。」
「えっ...?」
「潰せるのは、日比野卓也..一人だろうね」
朱美は師羅の言葉に首を傾ける。
キラキラと輝きを増している師羅の瞳。
「...芸能界の悪魔...それは記者だと思ってました」
朱美はそう言う。
師羅は「そうだよ」と言うが、朱美は首を振る。
「あなたは、天才を守ろうと見せかけている、大魔王です」
「.......」
「ハハハッ、大魔王..ね。
芸能界を知り尽くしている俺からすれば、つまらないの一言だよ。」