誓~天才演技者達の恋~
幸せそうに笑う由梨。
卓也だけが、不機嫌そうだった。
「昨日のは、サプライズだったわけ?
全国を騙してまでの、サプライズ?
ハハハッ。卓也くんやるねぇー!!」
記者の誰かに肩を叩かれる。
卓也は力なく笑うと、由梨の頬を叩いた。
「!!!!!!!」
「ざけんなよ。オマエ」
由梨の頬には、涙が伝う。
記者達はもう、何がなんだか分からない。
「ごめん...」
「ごめん?ここまでやっといて、ゴメン?]
卓也は頭を掻くと、記者達のほうを向いた。
息を大きく吸う。
この動作を最近、多くやっている気がする。
「俺が由梨と結婚?笑わせないでくれよ」
「ちょっと?卓也くん?」
由梨は記者達に謝ると、走って去って行ってしまう。
その瞬間、由梨が嘘をついていた。
という空気が流れる。
「俺はYuriaが好き。
白野百合亜が今でも好きです
それは昔から変わらない。
百合亜が死んだ時、俺に手を差し伸べたのが歌原由梨だった。
だから、お詫びをかねて、彼女の想いに答えようとした。
でも..俺には無理だったんです
俺は」
何か言葉が続いただろう。
だけど卓也はいう事無く、床に倒れていく。
「卓也くん!?」
卓也は呼吸困難な状況だった。記者達は驚きを隠せない。
そして、卓也が静かに目を閉じると
卓也の呼吸が聞こえ無くなった。