誓~天才演技者達の恋~
『歌原由梨へ
最初に何を書けばいいのか、悩みに悩みます。
でも私は、歌原由梨という女優さんが大好きです。
いつも凛々しく演技をして、オトナっぽく笑う。
そんな演技が出来る歌原由梨は、すごいの一言に限ります。
卓也のことは何も言いません。
ううん。何も言えません。
私は、菊花ユリアとして生きていたワケで。
賢斗を愛していたワケで。
そんな私が、歌原由梨に説教や、ヤキモチを妬くなんて出来ません。
でも、歌原由梨は、どんな形であろうと卓也の傍にいてくれた。
俳優という道を開けてくれた。
そのことに感謝します。私が偉そうに言えることじゃ、ないんだけど。
でも、演技者としてでは無く。
ただのお友達という形なら、歌原由梨と合う気がするの。
だって、卓也を心から愛するとこ、一緒でしょう?
私は、白野百合亜の時に。
あなたと友達になりたかった。』
由梨は、百合亜のことを一番心配していた。
いなくなった。という報道が流れ、すぐさま来たのは彼女だ。
彼女なりに、卓也とのことを気にしているのだろう。
「由梨と百合亜、才能は百合亜が勝っていても、二人は似ているからな」
「...似てる?」
「演技では妥協しないってとこ」
賢斗の言葉に卓也は頷くと、賢斗にメール文を読むように言う。
「言わなきゃ...ダメだよな」
「当たり前でしょう!?」
明日香は携帯を奪うと、目を見開いた。
「何で?」
明日香のメールにも、由梨にも...とにかく今までの人には、無かったもの。
「菊花ユリアよりって書いてある」
「あいつにとって俺は、菊花ユリアとしての人生の一部ってことだろう?」
賢斗はそう言うと、明日香から携帯を奪う。
そして卓也のほうに背を向け、メール文を読み始めた。
「城崎賢斗へ...」