誓~天才演技者達の恋~
「日比野卓也さん、危篤状態か」
携帯のニューステロップを見て、百合亜はため息をつく。
一体自分は、何をしたかったのか。
百合亜は頭を抱えて、うずくまる。
「もう、生きていることが嫌になる...」
「百合亜、そろそろ行くわよ」
「どうして生きなくちゃいけないのよ...」
「百合亜!?ねぇ、何言ってるの?」
カーテンの向こう側で、杏莉は百合亜に声をかける。
百合亜はカーテンを開けると、笑顔を見せた。
「...変な事、考えてたりしないわよね?」
百合亜は息を吸うと、キョトン顔。
「変な事?何それ」
「.....」
「これ可愛いね。気に入っちゃった」
百合亜はそう言うと、会計場所に向う。
杏莉は「演技」と呟くと、財布を出した。
「白野百合亜さん、Yuriaさんはいらっしゃいますか?」
百合亜は笑顔を一瞬にして凍らせる。
傍で見ていた杏莉は、声のするほうを見た。
「...救急隊員?」
「....。」
百合亜はまるで救急隊員に怯えているようだった。
杏莉は事情をすぐさま理解した。
「卓也の時、ぶつかったって言ってたわね。彼?」
百合亜はコクリと頷く。
「どうして彼が、あなたを探してるの?」
「...分かんない」
「そうよね。だって相手は、警察じゃないんですもの」
杏莉は周りを見渡すと、あるマネキンに目をつけた。