誓~天才演技者達の恋~

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賢斗はある病室の前で、息を吸った。

手のひらに握り締めてきたネックレスを見つめる。


「やっと...ここまで来たんだな」


賢斗は、病室のドアをゆっくりと開けた。

部屋の中心には、清潔感溢れるベット一つだけ。

その他には置いてなかった。

ベットにいる女は、賢斗に気がつくと微笑んだ。


「やっと...やっと来てくれたんですね。」

「...やっと?...俺のことは知らない...覚えてないんじゃ?」


すると、彼女はゆっくりとベットから降り、賢斗のもとへと歩み寄る。

しかし自分の身体をきちんと支えられない彼女は、そのまんま賢斗に抱きついた。


「ずっと、ずっと引っかかってた...私には、家族よりも大切な存在がいるんじゃないかって...

“あなた”なんでしょう??」


賢斗は目を見開いて彼女を見つめた。

彼女はただ賢斗に抱きつくだけで、賢斗と視線を合わせようとしない。

それはきちんと彼を“覚えていない”からだろう。


「ユ、リア....」

「ごめんなさい。私、何も、何も覚えてなくて」


賢斗はユリアの頭を撫でて、首にあのネックレスを着けた。

ユリアは不思議そうに首に手を当てる。

すると、ユリアは一粒ずつ涙を流し始めた。


「俺の名前は、城崎賢斗。
オマエの家と隣同士で、お隣同士でもあるし...
幼稚園から一緒だから、幼馴染でもある。

でも“事故前”から俺らは恋人になったんだ」


「この感じ...これだったんだ.....。
これは、私...事故前から着けてますよね?...着けてましたよね?」


賢斗は頷くと、ユリアのネックレスのリボンのチャームをひっくり返した。


「ここにYuriaって掘ってあるだろう?
俺が事故前に...ユリアにプレゼントしたんだ」


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