誓~天才演技者達の恋~
由梨は口に手を当て、二人を見ていた。
そんな時、芸能科の廊下に男子の歓声が....。
「おいッ!あれって、普通科にいるセレブ...なんじゃ...」
指を指されつつも、彼女は颯爽と廊下を歩く。
ロングの黒髪を靡かせ、あたかも芸能科の生徒のようにフリ舞う。
しかし彼女は駄目(ブス)な芸能科生徒よりも、確実に華を纏っていた。
1-Aの前に立つと、賢斗と卓也が今にも殴りあいを始めようとしていた。
彼女はめんどくさそうにドアを叩く。
「喧嘩は河川敷でやるのが常識でしょう?」
と洒落でも言いながら入ってくる彼女。
由梨はいかにも嫌な顔をしていた。
それでも二人は、美女の登場に気がついていない。
「百合亜を超える天才がいるんだよ...」
彼女は、賢斗の首を片手で掴んだ。
賢斗は驚いた様子で彼女を見つめる。
卓也は彼女を見て、ため息ひとつ...。
「百合亜を超える天才...!?ドコにいるの!?ドコに行けば会えるの!?」
「ちょ...苦しいぃ...」
卓也は苦笑いに近い表情で、賢斗と明日香の間に入った。
由梨は唇を噛んで、その様子を見ている。
「明日香...止めとけって」
「卓也...あなたが、一番聞きたいって目してるのよ?分かってる?」
卓也は舌打ちをすると、教室から出て行った。
由梨が追おうとするのを明日香は止める。
明日香を睨む由梨...。
「歌原由梨さんは聞きたいと思わないの?白野百合亜を超えるっていう...演技の天才の話を」
「あ...ッ」
明日香は不気味に笑うと、賢斗を見つめた。
賢斗は気まずそうに明日香を見ると、賢斗は走って教室から出て行った。
明日香はお辞儀をすると、何も言わずに教室から出て行った。
「何しにきたのよ...あいつ」