ちょこれーと
「おまたせしました。」
背後から聞こえた声に
ゆっくりと振り返る
はぁはぁと息を切らした、彼…
青柳君がゆっくりと近づいてきて
反対側の椅子に腰かけたかと思うと、残っていたオレンジジュースを一気に飲み干して
立ち上がった。
その手には私の荷物があって…
「行きましょう!」
そう言って、レジに向かって歩きだした
その後ろを、慌てて追いかけ
彼がポケットから小銭を出して支払いを済ませたのを呆然と見つめていた。
そんな様子の私に、青柳君は目を細めたかと思うと、「行きましょう」ともう一度言って、外へと出た。
「ジュース代…払うから、カバン貸して?」
その言葉に、彼は無言で首を横に振ると、空いている手で私の掌を握りしめた。