oneself 後編
「お疲れ様」
この前と同じように、店長から茶封筒を手渡される。
明日も朝から学校があり、今日は家に帰る予定のあたしは、早めに上がらせてもらう事になっていた。
時刻は11時半前。
今から駅に走れば、ギリギリ終電に間に合うだろう。
13500円。
そう記されたノートに、サインをする。
これで支払いに必要な金額は稼ぐ事が出来た。
「次の出勤どうする?」
サインを確認した店長が、座っていた椅子ごとクルリとこちらを向いた。
「金曜日でお願いします」
頭の中で、財布の中身と貯金、支払いや欲しい物を思い描いた。
もう少し余裕が出来るまで、ここで働こう。
哲平も許してくれた事だし。
店長は「了解」と微笑み、あたしは茶封筒を鞄に直すと、一礼してその場を去ろうとした。
「あ、望月さんが誉めてたで」
望月さん?
あたしはもう一度店長の方を向き直し、首をかしげた。
「いい子が入ったって」
そう言って店長は、ニコリと笑った。
初めて出勤した日、ヒナタさんのヘルプとして、席に着いた。
話上手で、すごく素敵な人だった。
その望月さんが?
この前と同じように、店長から茶封筒を手渡される。
明日も朝から学校があり、今日は家に帰る予定のあたしは、早めに上がらせてもらう事になっていた。
時刻は11時半前。
今から駅に走れば、ギリギリ終電に間に合うだろう。
13500円。
そう記されたノートに、サインをする。
これで支払いに必要な金額は稼ぐ事が出来た。
「次の出勤どうする?」
サインを確認した店長が、座っていた椅子ごとクルリとこちらを向いた。
「金曜日でお願いします」
頭の中で、財布の中身と貯金、支払いや欲しい物を思い描いた。
もう少し余裕が出来るまで、ここで働こう。
哲平も許してくれた事だし。
店長は「了解」と微笑み、あたしは茶封筒を鞄に直すと、一礼してその場を去ろうとした。
「あ、望月さんが誉めてたで」
望月さん?
あたしはもう一度店長の方を向き直し、首をかしげた。
「いい子が入ったって」
そう言って店長は、ニコリと笑った。
初めて出勤した日、ヒナタさんのヘルプとして、席に着いた。
話上手で、すごく素敵な人だった。
その望月さんが?