oneself 後編
今日は何曜日だっけ…?


毎日毎日同じ事の繰り返しで、曜日の感覚さえもおかしくなってくる。


今日もお店に出勤するべく、あたしは地下鉄でミナミに向かっていた。


運良く空いているシートを発見し、座ろうとした時だった。


「ミライちゃんやんな?」


呼び止められた声に、足を緩め、振り返ると、そこには見覚えのある顔。


「覚えてるかな、カリンやけど」


ポッチャリとした体格に、ストレートの黒髪。


思い出した。


3度目の出勤の時に体入で来ていて、翼が枕営業だと言っていた子だ。


その後一度だけお店で出会ったが、それ以降彼女を見る事はなかった。


今は何をしているんだろう?


そんなあたしの心の声が聞こえたかのように、彼女は鞄を探りながら、何かを取り出すと、それをあたしに差し出しながら言った。


「今はここで働いてるねん」


差し出されたのはお店の名刺だった。


それを受け取り、覗き込む。


彼女は今もミナミのどこかのキャバクラで働いているようだ。


「でも、もう辞めると思うけど〜」


そう言って、彼女はケラケラと笑う。


ふと空いていたシートに目をやると、もうそこには年配の女性が座っていた。


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