oneself 後編
体験入店4
あたしの方を見ようともしない彼。
とりあえずグラスについた水滴を拭う為、おしぼりに手を伸ばす。
そんなあたしの手が視界に入ったのか、彼がこちらを向いた。
ふいに重なる視線。
あたしが頼りなく笑って見せると、彼はフイと視線をそらした。
この先、彼にどう接していけば良いのだろう。
どんな話題なら、話が続くのだろう。
その時、波多野さんが彼をからかうように、突拍子もない事を言い出した。
「こいつこんなんやけどさ、ミライちゃんの事は、マジで気に入ってると思うから」
はっ?
いやいや、どう見ても、気に入ってるような態度には見えない。
「あたしも思った〜」
それに便乗する翼。
あたしは「何を言うの?」と言わんばかりの目で、二人を睨み付けた。
そんな意味の分からない事を言われて、きっと前田さんも困ってるはず。
そう思い、慌てて彼の方を向き直したあたしの目に映ったのは…
気まずそうに、でも照れたようにうつむく、彼の姿だった。
とりあえずグラスについた水滴を拭う為、おしぼりに手を伸ばす。
そんなあたしの手が視界に入ったのか、彼がこちらを向いた。
ふいに重なる視線。
あたしが頼りなく笑って見せると、彼はフイと視線をそらした。
この先、彼にどう接していけば良いのだろう。
どんな話題なら、話が続くのだろう。
その時、波多野さんが彼をからかうように、突拍子もない事を言い出した。
「こいつこんなんやけどさ、ミライちゃんの事は、マジで気に入ってると思うから」
はっ?
いやいや、どう見ても、気に入ってるような態度には見えない。
「あたしも思った〜」
それに便乗する翼。
あたしは「何を言うの?」と言わんばかりの目で、二人を睨み付けた。
そんな意味の分からない事を言われて、きっと前田さんも困ってるはず。
そう思い、慌てて彼の方を向き直したあたしの目に映ったのは…
気まずそうに、でも照れたようにうつむく、彼の姿だった。