oneself 後編
part6
自分勝手
日曜日の早朝。
今日に限っては、両親が起きるのは10時くらいだ。
だからあたしは、その少し前くらいに帰って来た事にしようと、電車に揺られながら、嘘の理由を考えていた。
大学の友達の家で、朝までDVD鑑賞をしていた事にしよう。
最寄り駅に着くと、自転車にまたがり、静まり返った住宅街を走る。
もうすぐ梅雨が始まると、天気予報で言っていた。
どんよりと曇っている空は、今にも雨が降り出しそうで。
あたしはペダルをこぐ足に力を入れた。
ようやく家に着くと、物音を立てないよう細心の注意を払い、忍び足で自分の部屋へと向かう。
うちは特に門限もないし、友達との外泊にも、とやかく言われないし、両親は寛大な方だと思う。
それでもここ最近は帰りも遅く、遊び回っているあたしを、両親が良くは思っていない事は確かだ。
それに加えて、キャバクラで働いてきたという事は、やっぱり後ろめたくて。
黙っていればばれる事はないとは言え、少し胸が痛んだ。
何だか最近、両親には嘘を付いてばかりな気がする。
早朝の空気に触れ、すっかり酔いも覚めた頭は、そんな事を考え出すと、急にあたしをブルーにさせた。
早く寝よう。
拭き取りタイプのシートで、素早く化粧を落とすと、部屋着に着替え、ベッドに潜り込んだ。
今日に限っては、両親が起きるのは10時くらいだ。
だからあたしは、その少し前くらいに帰って来た事にしようと、電車に揺られながら、嘘の理由を考えていた。
大学の友達の家で、朝までDVD鑑賞をしていた事にしよう。
最寄り駅に着くと、自転車にまたがり、静まり返った住宅街を走る。
もうすぐ梅雨が始まると、天気予報で言っていた。
どんよりと曇っている空は、今にも雨が降り出しそうで。
あたしはペダルをこぐ足に力を入れた。
ようやく家に着くと、物音を立てないよう細心の注意を払い、忍び足で自分の部屋へと向かう。
うちは特に門限もないし、友達との外泊にも、とやかく言われないし、両親は寛大な方だと思う。
それでもここ最近は帰りも遅く、遊び回っているあたしを、両親が良くは思っていない事は確かだ。
それに加えて、キャバクラで働いてきたという事は、やっぱり後ろめたくて。
黙っていればばれる事はないとは言え、少し胸が痛んだ。
何だか最近、両親には嘘を付いてばかりな気がする。
早朝の空気に触れ、すっかり酔いも覚めた頭は、そんな事を考え出すと、急にあたしをブルーにさせた。
早く寝よう。
拭き取りタイプのシートで、素早く化粧を落とすと、部屋着に着替え、ベッドに潜り込んだ。