†危険な男†〜甘く苦い恋心〜

「あ……」




あたしは思い出したように呟いた。




「知ってるでしょ。彼も凄い実力者だったのよ」




知らないワケがない。




“戸田潤”といえば…イケメンSPで有名だった。




それに実力もあったみたいだから…期待されていた。




「水樹が辞めるって聞いてね。みんな凄く止めたわ。当たり前よね…水樹の腕をみんな失いたくなかったし、中身もいい子だったから」




「そうだったんですか…」




美姫さんはコクリと頷いた。




「でも水樹はSATを辞めたわ。…けどね?隊員が足りなくなった時は補佐で来てくれるってことになってるのよ?」




「えっ!?そうなんですか?」




「そうよ。そこまでして…優輝は水樹の力を必要としていた。もちろん、他の隊員も」




美姫さんは椅子に座り直した。




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