最後の恋


「っていうか…すいませんでした!」


「えっ?」


「今日急にご飯誘ったりして…」


「何言ってんの、謝るとこじゃないでしょ?」


「でも莉奈さん…疲れてそうやから。ほんまごめんなさい」


申し訳なさそうな顔でまた謝る椎名に、胸がキュッと締め付けられた。



「別に疲れてないよ」

「だって…ため息ついてるし」

「それは…」

「俺、莉奈さんが楽しんでくれるようにもっと頑張るから。だから…今度の土曜の休み予定空けててくれませんか?」



椎名は、いつだってまっすぐだった。

まっすぐに私を見て、まっすぐな気持ちをありのまま伝えてくれる。


その目で、その声で。

まっすぐに、ぶつかってくる。



「別に頑張んなくてもいいから。土曜日?ちゃんと空けとく」

「マジっすか?」

「マジだよ?」


だから私は、そんな椎名をまっすぐに受け止めたかった。


ジェネレーションギャップを感じながらも、年の差を気にしながらも。


ストレートな気持ちを、ストレートに受け止めたかった。



でも、やっぱり怖かった。

一度あんなふうにフラれたことがあった私には、信じることがものすごく大きな壁になっていて。


信じることへの不安と、年の差の不安。

ダブルパンチ。


だから大きな大きな壁は、気付かないうちにどんどん高くなっていった。


気付かないうちに…

超えられないくらいの、高い高い壁に。


< 116 / 418 >

この作品をシェア

pagetop