最後の恋


「キャーーッ!」


目まぐるしく変わる景色と、心臓が浮くような感覚。

とにかく叫び声が止まらなかった。


「イェーイ!フゥーッ!」

だけど隣から聞こえるのは私とは正反対の楽しんでます感タップリの声。


「キャーッ!」


散々叫んでやっと止まった瞬間、私は脱力感でいっぱいだった。


「あははっ、莉奈さん叫びすぎ!でもスッキリしたでしょ」

「…スッキリどころか今日一日の力全部使った気分だよ」


答えながらジェットコースターをおりると、地に足が付いていないかのように足がフラフラしてしまってた。


「ちょっ、大丈夫っすか?」

ケラケラ笑っていた椎名だけど私がフラついた途端、急に心配そうに私に近付く。



「大丈夫じゃないわよ、だから乗らないって言ったのに」

「すいません」

「あははっ、ウソウソ。確かにちょっとスッキリしたし」


私がそう言うと椎名はホッとしたような顔で笑う。

反応がいちいち可愛い。


まだドキドキする心臓の音を体中で感じながら、その笑顔にふとキュンとなった。


スリルがありすぎてたまらなかったけど、久しぶりに乗って良かったかもしれない。

あんなに大声で叫んだのはいつぶりだろう。


ビュンビュン風を切る音も、何だか少し懐かしく思えた。

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