最後の恋



だけど…


「ごめん莉奈…」

今日会う約束をしているサキから電話がかかってきたのは、さぁ今から家を出ようかとお気に入りのパンプスを履いた時だった。



「ユウキがいきなり高熱出しちゃってさ…今、39度6分で……本当ごめん!今日…行けなくなっちゃったんだ」



申し訳なさそうな声で、私に何度も謝るサキ。

もうすぐ一歳になるサキの息子、ユウキ君が熱を出してしまったらしい。



「えっ…いいよいいよ!私は全然大丈夫だし。それよりユウキくん大丈夫?」

「うん…。とりあえず今から病院行ってくる」

「そっか、とにかくお大事にね!早く熱下がるといいね」

「莉奈、本当にごめんね…。また改めて違う日に誕生日お祝いさせて!とりあえずまた連絡するから」


そんな会話をして、私はじゃあまたね、と明るく電話を切った。

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