最後の恋



怒ってるの?

どうなっても、ってどういうこと?


戸惑いながら歩き続ける椎名を見上げた。


すると、突然立ち止まった椎名は、近くにあった給湯室へと私を引っ張って。



「やっと近付けたと思ったらすぐに離れていくし」



手を離された次の瞬間、椎名はそう言いながらこちらを振り返った。



「離れたと思ったら…いきなりこうやって現れるし……」



そしてそう言いながら至近距離まで近づいてきた椎名は、どうしていいか分からずに立ち尽くしていた私をその場でいきなり抱きしめた。



「俺がどんな思いで莉奈さんのこと諦めようとしてたかわかってるん?」



えっ?



「ほんまめちゃくちゃな人やわ」



耳元で聞こえる椎名の声。



「どうしてくれるん」



ギュッと、強く強く抱きしめられた。



「泣き顔なんか見せられたら…もう好きな気持ち、止めれんくなるやん」



抱きしめてくれる腕も、広い胸も。

いつの間にか、こんなにも好きになっていた。


この声も、この匂いも温もりも。

いつからか、一番大切なものになっていた。


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