ハニートースト ~カフェで恋したあなた~

夜のデート




-夜の遊園地-





「また隼人とデートか?」




お父さんがニヤニヤしながら、鏡越しに声をかけた。





「デートとかじゃないし」





「でも、オシャレしてるじゃないか」





「そんなことないもん」






「最近、よく会ってるんじゃないのか?隼人もようやくお前のかわいさに気付いたか?」





お父さんはそう言って、私の頭にそっと手を乗せた。




こんなことをされるのは何年ぶりだろう。





照れ臭いけど嬉しかった。






お母さんが亡くなってから、頭を撫でられるなんてなかった。




だから、片桐さんに撫でられた時、すごく嬉しかったんだ。






「行ってくるね」



「楽しんできなさい」





私は左手首に香水をシュッと一吹きして、玄関の扉を開けた。



そこに待っているのは・・・・・・





「よお」



大好きな私の王子様、片桐さん。





< 211 / 300 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop