青空ライン



今回の会場は地元東京で行われることになり、交通手段はバスだし、宿泊もせず自宅から通うということであまり全国大会の実感がしなかった。



だけど、行きのバスでは部員のみんなは今回は全国制覇の言葉に囚われちゃってそわそわしていた。



アップして控え室に来た頃には少しはマシになっていたけどどうしたらいいか分からなくて何もできなかった。



あたしは試合の準備をしているとポケットの中で携帯が鳴った。



そーっと携帯を覗いてみると




[着信 敦さん]




と書いてあった。




ちょっとなら大丈夫だよね。



あたしはばれないように控え室を出て電話に出た。





「もしもし」



「杏ちゃん?ごめんね、夏休みになってから全然会えなくて…」




「いえいえ、全然大丈夫です。あたしも今日からの全国大会で部活忙しかったので!」



敦さんは今塾の先生をやっていて夏期講習で忙しいらしい。



頭良いとそういうバイトもできるんだなぁ…あたしには無縁のお仕事だけど。





「そっか、良かった。そーいえば今日から全国大会なんだよね。やっとだね。後少しで想いを伝えられるじゃん!」




と電話越しで楽しそうな敦さんの声が聞こえる。



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