水晶の涙



『…誰?』


伏せていた顔を上げ、周りを見渡すけど、聞こえてきた声の主らしき人は見当たらない

ふと、何かの気配がして後ろを振り返った

…そこに居たのが


「よ。何してんの?」


頭に巻いた黒いバンダナと、着崩してるブレザー、チェーンが付いたズボンが印象的な男の子

男の子は、ズボンのチェーンをじゃらじゃらと言う音を鳴らしながら、私の横にドカリと座った


「…な、あんたは何でこんな所で落ち込んでんだよ。」


『…ほっといてよ。』


「冷たてーな…んな事言うなよ。」


私の背中をバシバシと叩く男の子を横目で睨むと、「こ、怖ぇぞ…お前。」と苦笑いした

その後は、何故か二人とも沈黙




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