水晶の涙



悪魔は、怖がってる

自分達を消し去る、
あの石を


ガラスケースの中、黒く小さな体と小さな力しか持ってない彼らには

逃げる事は、出来ない


「ハルちゃんの石って…サファイア、だよね?…って、大丈夫!?真っ青だよ!?」


『大丈、夫…大丈夫…っ』

ルシルちゃんの言葉に、ただただ
大丈夫、と繰り返す


大丈夫

…ではないのは
自分でも分かってる

今の私が口にする
'大丈夫'は、

自分の中の言い聞かせに過ぎない


「………」

カイ君も、今にも消されるかもしれない悪魔達を、苦虫を潰した様な表情で見ていた


そして


「…消えて。」


ハルちゃんの小さな声と共に、青色の光がハルちゃん一体を包み込んだ





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