初恋カフェオレ


ちょっと話しかけてみようかな、と考えていると彼女がきょろきょろしだした。


何か食べるものを探しているようだ。


やがて彼女の大きな瞳が自分の前のさらに落ち着いた。


折角話しかけれるチャンスが転がっているのに、みすみすそれを逃すほどバカではない。


素早く彼女より早く皿を奪い取り、とびっきりのスマイルで


「これだよね?」


と、いかにも今気づいてとってあげましたーという雰囲気を出す。


「あっありがとうございます」


彼女は数本皿からつまみを取り出し、自分の口の中に放り投げた。


おいおい、普通の女子はここで小皿に入れないのか?


笑いをこらえるのはなかなかのひと苦労だった。


「それだけでいいの?」


「あっはい………」


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