トリプルトラブル【完】
 あの朝確かに珠希を美紀に感じた。
初恋の女性・智恵を感じて戸惑った。


「大きくなったらパパのお嫁さんになる」 
確かに美紀は何時も言っていた。

その言葉が今確実に、正樹の心の中で大きくなり埋め尽くそうとしていた。


沙耶に指摘されて、より感じる愛しさ。


正樹は自分の心の置き場を探し始めていた。


正樹はもがいた。
幾ら何でも、息子と同じ年の美紀は愛せない。
愛してはいけない。


でも正樹は感じていた。
既に美紀を一人の女性として見ている自分自身を。


このままではいけない。

美紀に本当の事を話そう。

秀樹と直樹とそして自分自身の為に。
正樹は決意した。





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