君を想って嘘をつく
タイトル未編集
大好きだし、あいしてるし、側に居たいのにそれだけでは駄目なんだって。
愛してるも、大好きも、意味のない言葉になるんだって。
触れた肌を今は焦がれても、いつか忘れる日がくるんだって。
こんな風に恋したなって笑える日がくるんだって。
おばあちゃんになったら、おじいちゃんになったら、君はきっと思い出になるんだって。私もあんなに熱い時期があったわ、って。

宙ぶらりん
ぐちゃぐちゃの心、想いようのない慕情、霞まない面影、いとしい輪郭
「嘘つきだよね、大人は」
全部ばかみたいだったって思える日がくるのよ、って私に話すおばあちゃんの目はいつも透明に光るのに。


「思い出は苦しいんだって。愛が大きく深い程苦しいんだって。」

もうすぐ本当を嘘にしなきゃならない日がくるよ。君を乗せる輿がやってくるから。

「愛してるよ。」

僕もおじいちゃんになったら、君を浮かべて嘘をつくんだろうね。



君を想って嘘をつく
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop