【短編】咎(とが)
何の意味も持たずに産まれてきたら?

誰にも、何にも、期待されずに産まれてきたら?


意義も無く、必要ともされず。


そういえば、わたしの顔つきは酷く地味だった。

目が地味、鼻が地味、耳が地味、唇が地味、顎が地味。

髪を伸ばしたくても、肩より先には無理だった。細くて、縮れて、みすぼらしかったから、短くなきゃダメだった。

ファッションセンスがなかった。流行というものが判らなかった。あの子が着ている服が、カワイイのかどうか、解らなかった。

人と話すのが得意ではなかった。自分の思っていることを、誤訳なく伝えられなかった。

異性から人気が無かった。好きな人はいた。でも、ただ、それだけだった。


わたしは、普通なんて嫌だと思っていた。

誰彼と同じ様に語られ、適当にあしらわれることに、我慢ならなかった。

でも。

でも、わたしは、その「普通」にすら届いていなかった。

「普通」よりも下だった。はるかに劣っていた。


わたしは、特別ではなかった。


単なる「今の若い人」だった。人括りにされる、小さな、凡弱な存在だった。

それに気づかされるから、それを思い知らされるから。

だから嫌いだった。

「今の若い人」という言葉が。

わたしは「今の若い人」ではないと思いたかった。思っていたかった。

もし、この世に神様がいるのなら。

わたしを特別な存在にして欲しい。

この劣等感を吹き飛ばす、力を与えて欲しい。

何者にも負けない強い力。

何者にも左右されない絶対的な力。

誕生日が来て、14歳になって、毎日の色に違いなんか無くなってきて。

何の為に生きているのかよくわからなくて。

死んでみようかなんて考えてみたりもして。

遺書になんて書けばいいのかわからないから諦めたりして。


そんな時、

そんな時、わたしは。


……神様に出会った。
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