カラス君と黒猫さん

□喪失











□ □ □



12月26日午前10時過ぎ。


俺は、ベッドの上で目を覚ました。


(朝・・・・・・・・)



昨日の疲労のせいか、体が重くてだるい。

そして何より、黒猫さんのあの言葉せいだ。




『私がカラス君の前から居なくなったらどうする?』



まだ正常に機能していない脳にずっと、この言葉が流れている。



(居なくなったらって・・・・・・。黒猫さんは俺の気持ちに気付いているのかな・・・・。)

全く、鈍感なのだか鋭いのか。



「・・・・・・居なくなるなら俺が告白するまで待ってよ・・・・・。」



つい、情けない言葉が零れる。




冬休みに入って2日。
早くも黒猫さんが足りないよ症候群。


携帯を開いて、昨日の黒猫さんの写真を見た。


口元が緩くなってしまうのは、自然の摂理だと信じたい。






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