カラス君と黒猫さん

□気概











□ □ □



それから数日経って、それは起こった。





滅多に使わない携帯の着信から、俺の嫌な予想は的中するんだ。

画面には、“風間雅”と書いてある。




「・・・・・・・・・はい」

『カラス、まただ・・・・・・・・・』


ぞくり、背中を引っ掻き回されるような寒気が襲った。




『黒猫が・・・・・・仕事に来ない』

「それってもしかして、」

『分かんねぇんだ、音信不通だし、またこの間みてぇに兄貴が関係してたら・・・・』

「・・・・・・・黒猫さんの家に行ってくるよ。」

『・・・・・・・・・あぁ、マユも今日は仕事だし・・・、一応言っとくつもりだ』

「うん、そうして」



携帯を切って、家から飛び出した。




(・・・・・・・・・・・・何で、何も言わないの)




黒猫さん。





< 205 / 223 >

この作品をシェア

pagetop