問題山積み
欲しいものはいつだって
何歳の頃だったかな、母親が買ってきた婦人雑誌に載っていたブルガリのカラーストーンのリング。
紫の石とオレンジ色の石と、確かグリーンの石がくっついたリング。
なぜだかそれがやけに気に入って、暇さえあればそれを眺めていた。
幼心に、「30歳までに、こんなリングが似合う女の人になってやる」と誓ったのを覚えている。
具体的な「30歳」という数字がどこから来たかは謎だが、多分、その当時の「大人の女性」というのがそのくらいの年齢だと想像していたのかもしれない。















「ネックレスとかはね、いくら顔を隠してもホームページに載せた時にそれでバレちゃうから外したほうがいいかもよ」


服を全部脱いで、さあどうぞとカメラの前に立つと、カメラマンの男性がそう言った。
私の鎖骨で光るのは、つい先週買ったブルガリのパレンテシ。
本当はダイヤモンドが全周入ってるのが欲しかったんだけど、その前にグッチの新作バッグを買ったばかりだったから、諦めた。
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