問題山積み
彼氏いない歴、イコール年齢。
つまり、私に彼氏がいたことは未だかつてない。
それどころか、生まれてこの方性的関係を持ったこともない。
私が何も言わずとも、お母さんは同じ女として何かを察しているようで、お母さんも同様に私に何も言わない。
１本丸々長葱を切り終えた手を、水道で洗う。
眼鏡のレンズにぴっと水滴が飛んだ。


「ちょっと美和子にメールしてみてよ」

「やだ。彼氏とラブラブのところを邪魔したくないもん」


顔も見ずに拒絶する私に、お母さんが小さく溜息をついた。
お母さんの言いたいことは分かる。
私は無言で人参の皮を剥き始めた。















美人に生まれたかった。
酷いブスだと卑下するつもりはないけど、自分の生き様を振り返ってみたら、やっぱり私は美人とは程遠い位置にあるんだと思う。
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