とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~




あの時の会話を思い出し、青年は密かに思う。



…まさか、こうなることを知っていた…?



だがすぐに頭をブンブンと振った。



感情がない話し方をするヤツだったが、仕事においては真面目だった。



こんな警察沙汰になるような事をするような人間じゃない。



隣に居る店長はただオロオロとするばかりだ。



『お、おい、あれはなんだ!?』



『店長、落ち着いて。…であれって?』



『ほら、あの顔の解らない奴等だよ…!』



機動部隊だか特殊部隊だか解らないが、静かに待機している数名の集団…。



『なんでしょうね…。SATか何かですかね…。』



『ええっ!?な、なぜ!?』



『なぜって…』



…なぜだ?状況はそんなに深刻なのか?



今まで野次馬のように辺りを好奇の眼差しで見ていた彼だったが、急に不安になってきた。




< 306 / 476 >

この作品をシェア

pagetop