L×L
下校時刻すれすれになって矢澤くんと麻里奈ちゃんが戻ってきた。



「ごめんねー、遅れて」



そんな申し訳ない顔されると…怒るに怒れません。



「麻里奈ちゃん…。ご苦労様。でも、もう下校時刻なんだけど…」


「じゃあ、俺帰るわー」



おい、矢澤くん。

あんたはなぜ帰ろうとしている?



「待って!!矢澤くんは片付け手伝いなさい!!」


「は?めんどくさ…」


「サボって文句言うな!!」


「サボりは高瀬」


「うるさい!!」



何こいつ。ちょっといい人なのかもとか思ってたけど、全然違うじゃん!!
てか。どこがモテ要素?香那!!教えて!!



「あの…結衣ちゃん。あたしが部活していいって言ったの。頑張ってたし…。あたしが片づけ手伝うよ」



だから、その申し訳なさそうな顔やめてくれないかな?

てか、麻里奈ちゃん。矢澤くんに甘すぎだと思いますよ?



「でも、麻里奈ちゃんこそ門限あるんでしょ?それにバスの時間とか…」


「えっと…」


「俺がやればいいんだろ?」



あら?あっさり聞き入れるんだ?



「そうそう。てなわけで麻里奈ちゃんは帰っていいよ。お疲れ様」


「えっ…あっ…うん。お疲れ様」



麻里奈ちゃん。笑顔ひきつってるけど…気のせいかな?
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