ハーレム ブラッド
「きっと…

彼氏ができても思い続けてくれてる素敵な人なんじゃないかなぁ?

彼氏と一緒にいた私が不良に絡まれたら影ながら助けた人も居たし…もしかしたら同一人物だったりねぇ。」


「…。」

「まぁ…どっかの誰かも彼氏がいながらにして他の人を思う滑稽な人だけど。」

「…このハンカチをくれた人はどんな人か、聞いてもいいかしら?」


「うん。


優しくて…甘い…


血の美味しい男の子だよ。」


クーニャが柔らかく笑う。


「そう…

クーニャはその人が好きかしら?」


「もちろん、好きだよ?」

「ふぅん。」

「その男の子もきっと私のことを好きだと思うな。

それに、もう1人いるおっかない子のことも。」


「そう…


さて、私は彼氏を迎えに行くわ。」


姫野が立ち上がる。


「それから…

その男の子は多分、あなたのことも…ね。」


「…。

このハンカチの送り主に言っといて。

使うかわからないけど、ありがたくもらっとく、って。」


「うん。


それ、肌身離さず持っててほしいんだって。」


「はいはい。」

姫野は片手を軽く挙げて教室を出た。


「さぁて…

私はその男の子の待つ校門に行かないとね〜。」


クーニャは鼻唄を唄いながら校門へ向かった。
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