ハーレム ブラッド
「ん〜。」


ゴロンッ!


バッ!


マリアが毛布を巻き取る。


「あ…」

毛布の少女の毛布がなくなる。


「…。

寝てても迷惑な奴ってのはこいつのことだな。」

幸大が言う。

「あの…」


「ん?」

「さ…」

「さ?」

「沙羅…」

「お前の名前か?」

「はい…」

「沙羅は友達が吸血鬼で…」

沙羅は頷く。


「詳しく聞かせてくれないか?」



「あの日…あの子は私の家に遊びに来てて…

急に…体が変だって言って…


お手洗いに行くって言ったんです…


私の部屋は二階で…お手洗いは一階で…

いつまでも戻って来ないから一階に行ったら、お父さんとお母さんが…」

「…。」


「その子は私に気づいて…首に噛みつこうと…


そしたら苦しみ出して…

私は気絶しちゃって…

気づいたらここに…」


「…そうか。」

「その日はその子の誕生日で…」

「ん?

待った…

沙羅は16だよな?

その友達は何歳だ?」


「私より1つ上です。」

「…そうか。

ってことは学校の先輩か?」

「はい。

幼稚園から一緒で…」

ぽたっ…

「あれ?

涙が…」


「ったく…こんなのあいつらには見せれないよな。」


ぎゅっ。

幸大が沙羅を抱き締める。
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