ハーレム ブラッド
喫茶店


「もう、良いんじゃないかにゃ?」

クーニャが言う。

「何の話だ?」

幸大が言う。


「誰かが私たちを尾行してます。」

咲子が言う。

「尾行?」

「はい。

昼頃からずっとです。」

咲子が言う。

「目的はなんなんですか?」

沙羅が言う。


「相手が吸血鬼関連なら幸大の能力かしら?」

姫野が言う。

「お前らに関連する人以外の他人に話した記憶はないけどな。」

「VAPの奴らはどうだ?」

マリアが言う。

「ああ、マリアちゃんと沙羅ちゃんの監視かも知れないわね。」

桂木が言う。

「父に確認したけどそれはないそうよ。」

姫野が言う。

「もしかしてストーカーかにゃ?」

「昼間から始まるストーキングとは随分マイペースなストーカーだと思いますよ?」

咲子が言う。

「とにかく…ほっとけない。


が…沙羅や先生が一緒だと手荒なマネはできないな。


特に吸血鬼じゃない沙羅は不用意にケガをされても困るからな。」

幸大が言う。


「だからといって…」

姫野が言いかけた時。


ガシャァンッ!


窓ガラスが割られた。

窓ガラスを割ったのは銀色の物体。


「なんだ?」

幸大が見る。

《sleeping gas》


「マズイ!」

ばしゅぅぅぅっ!!

幸大の声と共に煙が噴出された。


「くっ…お前ら…」


「幸大…」
「幸大君…」
「幸大さん…」
「岡田君…」
「幸大さん…」
「幸大…」


全員が微睡みの中へと引きずり込まれた。
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