色をなくした世界
「ここで助けてもらったよね・・・あの日」


何も考えられずここまで来たあの日・・・・私はまだ何も知らない子だった。


「一馬に言われた通り・・・・私が馬鹿だったよ」


たくさんの人の優しさと思いを・・・何も知らない・・・そんな子だった。


「たくさんの愛があったのに、気付かず死のうとした。そんな私を・・・一馬が助けてくれたよね・・・」



叩かれた頬が痛いはずなのに・・・何も感じなかった自分を思い出す。



「ずっと言えなかった・・・・。一馬あの日私を助けてくれて・・・ありがとう。生かしてくれて・・・ありがとう」



生きている事に疲れ切っていたあの日・・・生きる事への喜びなんて何一つなかったのに。



私の命を助けてくれたのは・・・・一馬。



「一馬・・・・あなたに会えて本当に良かった」




雪乃が一馬を見て微笑めば、あの日のような危うさはもうなかった。



雄大がいなくなってからの3年で更に綺麗になり、穏やかな空気をまとった雪乃がそこにはいた。



そして・・・一馬も確信した。



「でも・・・って続くんだろ?」
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