色をなくした世界
コピー機の前でジッとコピーされる所を見ていると、編集長の青山が笑顔で雪乃の元にやってきた。



「雪乃ちゃん少しは慣れたかな?」



他の者には時々鬼のように怒っている青山も雪乃には優しかった。



「はい!皆さんとてもよくしてくれるので、楽しく仕事させてもらってます」



雪乃が満面の笑みで応えれば、青山は良かった良かったと言っている。そして持ってきた缶コーヒーを渡しながら。




「今度雪乃ちゃんの歓迎会を開こうと思うんだけど…来てくれるかな?むっさい男ばかりになってしまうけど…」



この会社は雪乃以外女性は事務の人一人しかいない為、出席すれば男だらけは仕方ない。



「是非参加させて下さい」



自分の為に開いてもらえる事がとても嬉しい。



「ありがとう!それじゃあ張り切って店を探させるよ。日にちはまた後で」



そう雪乃に告げ、張り切って青山は席に戻って行った。
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