色をなくした世界
こういう所は和哉とよく似ていると思う。


さりげなく人を思いやり、優しく接することができる。


雪乃にはできない事だ。


「ふふふ」


思わず漏れた笑いに、雄大が怪訝な顔をする。


「雪ちゃん・・・・顔が変だよ・・・」


失礼な雄大の言葉に、思わずお腹にパンチを食らわせる。


「痛いって!!!マジで!!!!」


和哉にも同じことをよく言われた。一緒に育っていると、言動まで似てくるのだろうか・・・・考えるのを辞めた。

それでいくと自分と梓も似ている事になる。・・・・それだけは勘弁してほしいと心から思う。


「変な顔って言うから!!女の子に対して失礼でしょ!!!」


23の未亡人をもう女の子とは言わないよとは自分の身のため雄大は黙っておく。


「それはごめんなさい。でもいきなりふふふなんて笑い出すから・・・気味悪いじゃん」


ふふふの所だけ雪乃の笑い方に異様に似ている。


「だって、さっき同じことを青山さんが聞きに来てくれたんだもん」


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