彼は、理想の tall man~first season~

「金曜日って、」

「んー金曜は仕事終わるの遅いと思うから、無理かも」

「じゃ、土曜日の昼間は、」

「土日は基本的には大丈夫、かな」

「それじゃ、お店を開ける前ならいいって言ってくれたんで」

「それ、歌う奴も呼んだ方がいいよね?」

「来て頂けるならですけど。でもいきなりだし、その方がお忙しいようなら、空いてる日に、どこかでカラオケでも構わないですよ」

「カラオケでもいいの?」

「大体の音域を知っておきたいので」

なんだか本格的だね、なんて言われて。

敦君は、松本さんに一旦電話をしてみるからと言って、電話を掛け始めた。

松本さんとの電話でのやり取りは、その歌い手さんが来週の土曜日の昼間空いているか確認してくれ、みたいな話で。

そしてその数分後、敦君の携帯に見知らぬ番号から着信があった。


「藤本か?」と言いながら出た敦君。

どうやらその勘は当たったようで。

久し振りだな、という会話から始まり、今どこに住んでいるだとか、話は身の上話に変わっていた。


歌い手の友人さんの名前は、藤本さん。

初顔合わせは、敦君と私とその藤本さんで決まりな雰囲気だった。
< 339 / 807 >

この作品をシェア

pagetop