彼は、理想の tall man~first season~
尚輝は俺達がオーダーした物だけを言い。
「後の支払い請求は、あのお姉さん達によろしくね」
俺でさえもギョッとする発言をした――。
「知り合いじゃないのか?」
「知り合いっちゃ、知り合いだけど。向こうが勝手に付いて来ただけだからね。俺らが金払うのって、どうかと思わない?」
「アハハ、お前って本当に恐ろしい奴だな」
「そう? 無駄な出費は抑えたい性分なもんで」
「分かった。そろそろチェックっぽい雰囲気もするから、逃げられないようにしないとな」
「会計スルーだったら、警察に速攻電話ね」
「お前本当に鬼だなー」
彼女がここの元従業員で、その双子の兄という由縁で仲が良いのか?
尚輝はバーテンとも旧知の仲とでも言ったらいいのか。
結構誰とでも親しくなれるやつだとは思っていたが。
プライベートは仕事以上だと、思わず感心してしまった。
「ねぇ、美紗は? まだ奥にいんの?」
「ああ、今弾いてる曲が終わるとマスターと連弾するよ」
「は? なに、今日弾くの?」
「今日はもう何回か弾いてる」
「はぁ?」