彼は、理想の tall man～first season～

「ありがとうございます」

こういうのは、結構ですとか、そんなことを言っても、相手が引っ込めるなんてことはしないお金。

尚輝の立場もあるし、中條氏の立場もある。

有り難いという意志を表示する方向で、間違いないんだろうと思って。

妹的立場から、お礼を述べた。


折角だから、欲しかった観葉植物を買わせてもらおうかな。

やっぱり、リビングが殺風景なのって、寂しいし。


再びキッチンに戻ると、尚輝は先に飲んでるからと、今更なことを言って、男２人は再びビールを飲み始めていた。


１人せかせかとキッチンで動く私。

喉が渇きを訴えた。

１本くらいならいいかな――なんて、ちょこっと悪魔の囁きも聞こえ。

静かに冷蔵庫からビールを取り出して、プシュッと開けた。


立ったままでなんて、お行儀が悪いけど。

急に飲みたい気分になってしまったから、バレなきゃ別にいいかなってな気分で、私は１人調理をする傍ら飲み始めた。