彼は、理想の tall man~first season~

「私は、初めて打ったのは、多分幼少期です。でも本格的に始めたのは、高校生くらいです。両親がゴルフが好きで――それで、家族でって感じになって」

「へぇ、それじゃ尚輝も同じくらいに始めたの?」

「はい。そうですね」

「練習熱心なんだ」

「はい――いや、でも、当時はまだピアノ弾いていたんで、手に豆が出来ない程度にとか、そういう感じだったんで。今は、週1のペースは崩してないですけど」

「あーピアノって、そうか。手も指も大事だもんね」

「はい」


ひとつのことから、結構話は広がるもので。

ちゃんと耳を傾けてくれているって解るから、ついついおしゃべりになっていた。


全く親しい感じでの会話は出来ていないけど。

まあ、それはもう追々で。

兎に角、今は、共有時間を増やして、たくさん話をして、お互いを知って、慣れて慣らしていくしかない。


「もう時間か――そろそろ出ようか」

「あ、はい」


好意的な時間経つのはあっという間で、気付けば長山さん達の到着予定時刻が迫っていた。

支払いは、敦君が済ませてくれて、私達はお店を後にした。
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