彼は、理想の tall man~first season~

だけど、本当に、晃がナイスタイミングで現れてくれて、良かった。

私ひとりであのままだったら、今頃どうなっていたんだか。


昔から困っている時は、晃がタイミング良く現れてくれて、幾度となく助けてもらったけど。

『彼氏はダメで、なんで晃君は平気だったの?』

今日、智子に聞かれた質問を思い出して私は湯に顔を沈めた。


理由は智子に言った通り――だけど、少なからず初恋の相手だったというのも、晃に頼めた理由なんだ。


当時の私は、見ず知らずの誰かについて行って、その相手にどうにかうまいことやって貰おうとか、大胆な考えでいたんだけど。

それが怖くなって、出来なくなって――。

あの時、怖じ気づいて、どうしようかと思っていた私は、晃と偶然街中で会ったワケだけど。

それが、例えば同級生の誰かだったとして、私は頼めたのかって考えたら答えはノーで。

逆に偶然会ったのが晃だったから、安心して――頼めたこと。

見ず知らずの誰かが初体験の相手より、初恋相手の晃の方が断然良かった。

そんなこともあって、私の初めての相手は晃なんだけど。


こんなこと敦君や尚輝は勿論、智子にだって知られたくない。
< 648 / 807 >

この作品をシェア

pagetop