彼は、理想の tall man~first season~

親と別れてセンチな気分だったのに、晃にぶち壊されて。

尚輝にはキレられて。

心の中でキィーーーッ!!って叫びながら、とてつもなく大きくなったイライラの感情を抑え込んだ。


半ば喧嘩状態で寄った地元の酒屋。


そうだ、智子に――と思って、智子の好きなゼリーを探し。

晃が地酒の日本酒なら、私は地ワインかな――とか。

変な対抗心で、敦君にもお土産を購入。

先に買ってお店を出て、お店脇の灰皿が目に留まり。

そう言えば、今日は吸ってなかったということに気付いて、煙草に火を点けた。


久々の喫煙に、血流がおかしな感じで、血の気が引くような、立ちくらみにも似た感覚。


やっぱり体に悪いな――。

半分くらい吸って、煙草を灰皿に捨てて。

一足先に車に乗り込んだ。


小憎らしい男2人は、未だお店から出て来ない。

このまま帰ってやろうかしら、とか。

気分がグレグレな私は考えた。

けど、まぁ、そんなことをしたら、後でどんな仕打ちが待っているのやら。

考えただけでも身震いで。


気心知れてるのは楽だけど、やっぱり大人の男性がいい――なんて、敦君を思い浮かべて思っていた。
< 717 / 807 >

この作品をシェア

pagetop